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21世紀へのエネルギーと環境問題への対応
第1は、Dematerialization、つまり、満足を物質から離すことである。 たとえば、われわれが耐久消費財をどんどん使い捨てにすることを反省し、文字通 り、大切に、永く使うことである。また、財の生産から消費に至るまで、リサイクル を徹底し、これを技術システム、社会システムとして確立することである。 第2は、それでも必要な経済成長からエネルギーを引き離すこと、すなわちDecoupling である。具体的にはエネルギー変換効率の改善、いわゆる省エネルギーの推進である。たとえば、工業や都市での廃熱―輸送時のロス率の低減などだ。
第1図は、GDP当りの一次エネルギー供給量の経年変化を示したもので、第1次石油危機以来、ほとんどの工業国で30〜40%改善していることが読みとれる。この 成果を発展途上国の仲間に協力していくことが大切と考えている。 第3は、それでも必要なエネルギーから、いかにして炭素分を引き離すか・・・ 。それがDecarbonizationだ。
第2図は、横軸に、発電燃料に占める非化石エネルギーの比率、縦軸に1kWh当り のCO2の発生量をカーボンベースで取っている。当然ながらこの両者には強い逆相関 がある。パフォーマンスが一番のいいのはスウェーデン、次がフランスだ。その理由 は、 スウェーデンの場合は水力と原子力とが同じで、49%ずつになっているからである。 その結果、非化石燃料率が98%で、発電電力量当りのCO2の発生量は0.01と極めて 小さい。第二位がフランスで、これも約8割近くが原子力でまかなわれている。それ に水力を加えると92%が非化石燃料となっている。 第三位のカナダは水力が60%も占めており、キャンドウ炉というカナダ型の原子力 もあり、これを加えて約8割近くが非化石燃料となっている。
将来の方向性をどうすればよいか。水力、風力、自然エネルギーの使える国はそれ を使い、原子力が安全・確実に利用できる国はそれを使い、いずれにしても非化石燃 料率を増やすことではないか。
第3図は、電力会社におけるCO2削減の貢献度別内訳を示している。もちろん、原子 力発電だけで環境問題を解決できるとは思わないが、原子力発電抜きに解決を図ることは著しく困難なことを示している。なお日本は、エネルギー・環境問題の解決に向け、原子力開発の計画的な推進に加 え、たとえば新エネルギー開発・導入の促進については需要拡大策、規制緩和、技術 開発支援など、省エネルギー促進については特定機器に係わる基準設定、省エネ機器 導入における優遇措置、技術開発支援などを積極的に進めているところである。
<目標設定の考え方>
まず、目標設定の考え方としては、
1)全ての締約国が参加しうること
2)参加国間の公平性を保ちうること
3)及び実行可能性があること、が基本である。 条約上の位置づけの観点からみると、CO2などGHGsに関する数量化された目標は、2 000年を越えても法的拘束力を持つものと位置づけられるべきではないと考える。 それよりも、「後悔を最小にする政策」の観点から政策と措置に検討の力点を置く 方が現実的ではないか。
<政策と措置の具体例>
政策と措置の具体例を、前述の3つのDに即してあげると・・・
1)Dematerialization としては、生産工程や製品におけるリサイクル率
2)Decouplingとしては、エネルギー消費/GNP、CO2/エネルギー消費、CO2/発 電電力量
3)Decarbonization としては、総発電電力量に占める再生可能エネルギー、原子 力などの非化石エネルギー源の構成比、などがある。 これらを、世界各国及びあらゆる主体にとってボランタリー努力目標として設定して よいのではないか。その際、すでに一定の値に達している場合には、過去の努力成果 がまた、今後の努力が非拘束性のGHGs目標にレヴュー、反映されるメカニズムが考え られないだろうか。
<国際協力メカニズム>
地球温暖化対策としては、国際協力が重要な役割を果たす。
1)地球再生計画
長期的には日本国政府が国際的に提唱した「地球再生計画」(第4図)の達成を国際的(各国共通の)目標として位置づけ、研究開発および成果の普及推進面で技術的・資金的な貢献を積極的にカウントしていくような国際的なメカニズ ムの確立が考えられないか。
2)CTI(気候変動技術イニシアチブ)
技術は、世界全体にとっても、共通の資源・資産であり長期的な視点から、革新的な技術によるブレークスルーが重要であると考える。CTIのような国際的な技術研究開発のベクトル形成のためのメカニズム確立に向け、先進国の主導的役 割が求められていると思う。
3)JI/AIJ
条約にある「共同実施」という考え方は、一定の投資のもたらす効果を最大に する方法であると共に、先進国の技術や知見を開発途上国に移転するうえでも有効な 方策である。そのための共同実施活動を推進することも有益であり、途上国への資金 ・技術・ノウハウなどの移転が追加的であり、予測可能であれば、途上国の同意も必 要だが、世界全体でその成果をプールし、協力実施国が国際的な認証メカニズムを経 て自らの成果分について応分のカウントができるような機構整備の検討もひとつの案 ではないか。
最後に・・・。私がかつて環境部会長をつとめた経団連では地球環境問題に対応して、19 91年に、企業が自主的、積極的に環境問題に取り組むうえでの理念と具体的な行動指 針を盛り込んだ「経団連地球環境憲章」を策定した。同時に、会員企業に対して同憲章に沿った取り組みを働きかけてきた。これを踏まえ、多数の企業がボランタリーな アクションプログラムを作成するなど自主的取り組みを開始しているところである。
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Last updated, January 15, 1999
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